社長ブログ

by 遠山 峰輝

BLOG遠山峰輝のつづる日常

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    2021.09.12

  • 中小病院こそセンター化を!

    救命救急センター、脳卒中センター、心臓病センター、脊椎関節センター、腎センターなど、センターと名のつくものは、高度急性期病院や大病院の専売特許のようである。なんとなく、カッコいい印象を受ける。センターというものの定義はまちまちであるが、例えば脳卒中センターであれば脳外科と神経内科が協力するなど、「診療科横断的に協力し特定の病気や疾患などに資源を集中して医療の質と効率性を高める」というのが目的であろう。これを一つの組織として捉えれば、そこには明確な役割、責任、権限などが伴うのが本来であるが、実際は単なる対外的な見せ方の工夫である場合が多いのが実態ではないか。

    このセンター化の問題点に関しては、またどこかで意見を述べるとして、今回話題にしたいのはそこではない。このセンター化は、高度急性期病院や大病院の専売特許ではなく、ケアミックスなどを行う中小病院こそ、これを打ち出し、機能させるべきではないかという点である。診療科横断的、或いは職種別に協力して特定の分野に資源を集中すべきは、大病院よりも、むしろ経営資源が十分ではない中小病院だからである。

    近年中小病院にとって重要な入院患者として、介護施設からの急変対応などがある。肺炎や尿路感染症などが主な疾患である。しかし、これらの患者に対応する明確な診療科は存在せず、複数の疾患を抱える高齢者であることも相まって、従来の診療科という縦割りでは十分な対応ができず、病院によっては診療科間で患者の押し付け合いが起こっているケースも少なくはない。さて、ここにこそ、まさにセンター化の本来のニーズがあるのではないか。名前はさておき、例えば呼吸器科と泌尿器科などがチームを組み、「介護施設/在宅支援センター」なるものはどうか。その他「高齢者急病センター」でもよいのかもしれない。これらは患者や紹介元にとってわかりやすいばかりか、病院のスタッフにとってもモチベーションの向上に繋がるかもしれない。センター化は大病院の専売特許ではない、中小病院こそ、経営資源が少ない病院こそ、集中化を検討し、実践すべき事なのではないかと思う。

    遠山峰輝

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