社長ブログ

by 遠山 峰輝

BLOG遠山峰輝のつづる日常

  • UPDATE

    2023.03.18

  • 感情労働!

    最近AIの進化(生成AIなど)に関する記事やニュースが世間を賑わしている。Chat GPTだ。Chat GPTとはマイクロソフト傘下のOpen AI社によって訓練された大規模言語モデル(生成AI)だ。この4代目にあたるGPT-4に米国司法試験の模擬試験を解かせると上位10%に入る成績を上げるというから驚きだ。マイクロソフトはエクセルやパワーポイントにこれらを組み込み、人の言葉で操作できるように開発しているという。エクセルに対して「業績を分析して!」と打ち込むと、数秒で売上高や原価分析などの情報をまとめた要約文が表示されるというから驚きだ。パワーポイントも大まかな内容を話すだけでプレゼン資料を作り上げるという。

    正直、最近、新聞でAIの記事を読むとちょっと気分が暗くなっていた・・・・何故って?それは、なんか仕事が奪われる感じになるからだ。すこし前まで単純作業はロボットや(従来型の)AIなどに置き換わる、頭を使う仕事や創造性が必要とされる仕事は安泰であると思っていた自分がいる。コンサルタントは、頭を使う仕事であり、発想も大事、生き残る仕事の典型と信じていた。それがどうだろうか?業界分析までをAIでされてしまうとは・・・・・。もちろん、コンサルティングの価値は単なる分析ではなく、もっといろいろあり、コンサルティング会社の経営者として大事なことは、AIに仕事が侵されるという発想ではなく、AIをいかに使いこなし、仕事の生産性を上げるかという発想、考え方が重要なことはいうまでもないであろう。ただ、正直、なんか寂しい感じがするものだ。ま、この5年間でコンサルティング会社の仕事も大きく様変わりすることは間違いないだろうな。

    そんな中、今週、嬉しくなる記事を読んだ。米国の社会学者アーリー・ホックシールド氏は、労働には、「肉体労働」、「頭脳労働」、「感情労働」の3つの形態があるというのだ。「感情労働?」聞いたことないぞ!記事によれば、「感情労働」とは、顧客の満足を得るために自分の感情をコントロールし、模範的な対応を常に維持する労働と定義されている。なるほど、「おもてなし」に近いものだな。飲食店でいえば、タブレットで注文を取るのではなく、従業員が笑顔で出迎え注文を取るということかな。肉体労働はロボットに、そして頭脳労働はAIに代わる時代がもう来ている。最後の砦は「感情労働」というわけだ。

    コンサルティングで大事なことはもちろん成果である。しかし、顧客との仕事の過程を通して感じることは、「顧客のことを思い、一生懸命頑張るという行動や気持ちは顧客の心を捉える!」ということだ。たとえ、成果が思わしくなくてもである。遠山も外資系のコンサルティング会社におり、正直、努力などその過程は評価されなかった。どんなに徹夜して頑張っても、それは関係ない、全ては顧客に高い価値を提供したか(成果)であった。AIが1分で答えを出したことに対して、「AI君、よく頑張ったな!」とはならないだろう。笑顔で仕事をする、温かい思いやりの気持ちで高齢者介護の仕事を行う、顧客のために一生懸命仕事を行う、これは全て感情の付加価値である。いつかはこれらもAIに置き変わる可能性もあるかもしれない。置き換わらないとは断言できない。しかし、ここは最後の砦に近いのかもしれない。この記事を読んで、救われた気持ちになった。今後はAIは軽く使いこなし、「感情労働」を大事にする会社、そして自分になりたい。

    おっと、そろそろギター合奏の練習に行く時間だ。実は明日は、蒲田のコンサートホールでの定期演奏会である。ちなみに、演奏するのはAI自動演奏ではなく、これまで一生懸命この日のために努力を続けてきたメンバーであり、正に、明日のコンサートは「感情労働」です。遠山もフルート奏者と演奏するが、失敗しないか心配・・・・・あ、AIは失敗しないが、「感情労働」における失敗は感動を生む、付加価値だな。気にしない、気にしない(笑)

    遠山峰輝

     

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