by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
UPDATE
2023.04.17
うまくいくビジネスは各種WINーWIN(ウイン・ウイン)の状況を作り出すことが重要である。例えば水が余っているところから安く水を仕入れて、水が足りないところにそれより高く売る、単純に安く仕入れて高く売るという基本的なことでであるが立派なウイン・ウインである。家庭で不要なものを売りたいが販売チャネルを持たない人と、安くいいものを買いたい人を結びつけるネット販売仲介モデルも正にウイン・ウイン。そんな中、週末新聞を読んでいたら、まさに4つの登場人物が皆ウイン・ウインのモデルを発見したのでご紹介したい。これは空き家処理を一括で提供する「クラッソーネ」という会社だ。最初、イタリアンレストランかと思ったが、暮らっそーね!なんだろう。
少子高齢化、人口減少などにより、ご存じ、日本には空き家問題が存在する。日本には空き家が849万戸で20年前の1.5倍、日本全体の住宅戸数6241万戸の一割強を占めるという。この問題解決に目を付けたのがクラッソーネである。空き家処理が進まない理由の一つに、空き家のオーナーにとって、解体費がどの程度かかるのかわからない、そして解体費用が高いのではということの悩みがあるようだ。そこでクラッソーネは1600社の解体/工事業者と提携、空き家オーナーがサイトで空き家の場所や家の状況など条件を入力するとその場で複数社の見積が提示されるという仕組みを作った。これは空き家解体業者間の競争を促す仕組みでもあり、これにより解体費用は値下がりする。更に、クラッソーネは、その土地のオーナーと、解体した土地を活用したいサービス会社を結びつける。コインパークなど、或いは土地を売りたい場合には不動産業者。また、空き家問題に悩む全国の60の自治体とも連携、自治体での住民窓口では、このクラッソーネの活用を推奨するという。最近では解体費用捻出のために金融機関とも提携したらしい。
解体費用の見える化から始まったビジネスモデル。空き家オーナー、解体業者、土地活用サービス会社、そして自治体、4者のウイン・ウイン。なんかすっきりだ!
遠山峰輝