by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
UPDATE
2023.06.05
先日、久しぶり(〇十年ぶり?)にある整形関連疾患のクリニカルパスの作成に参加した。パスとは、例えば入院治療を行う疾患に関して、治療法別に入院から退院までどんな成果目標でどんな治療行為を行うのかを見える化、つまり治療の工程表を紙に落としたものであると考えるとわかりやすい。当日は、担当医師、セラピスト、看護師、事務職員など治療に関わる多くの職種が集まっての議論である。その中の会話・・・・。
「やはり高齢者も多く入院期間がばらつくので入院期間を〇日と決めることは難しい」「入院期間にバラつきが生じているのは患者要因なのか、それとも他に理由はあるのか」「患者要因よりも転院先の受入の都合が大きい」「ならば、受入先との調整が課題ではないのか。入院期間を曖昧にするのではなく、一旦標準値を決定し、今後そこからの逸脱が起こった場合に、どうして逸脱が行ったのかを分析して改善に繋げる方が重要ではないか」・・・・『治療の標準化の重要性/意義』
「アウトカム設定としては、『ベッド離床』『車いす』『杖歩行』など段階があるが何日くらいに設定しようか」「過去6か月間のデータを調べると車いすは平均〇日という感じなので・・・」「では一旦〇日」に設定しよう・・・『エビデンスベース」
「〇日目のアウトカムに関する観察項目(評価基準)があるが、これは誰が観察判断しているのか?」「担当医である」「この観察項目は数値がメインであり、医師が関与、判断する必要はあるのか、看護師ではダメなのか」「看護師で十分に判断できると思う」「では看護師にしよう」・・・・『タスクシフト』
いいですね。本質的な議論がされています。パス(或いはパスに基づく治療)は病院にとって、言ってみれば「商品サービス」です。いかなる病院経営改善も、このサービスの質と効率を高めるためのものと考えても言い過ぎではないでしょう。コンサルタントにとってパスの中身に関与しているとき、なんとなく、医療の仕事をしている感を得ることができるので嬉しいですね。
遠山峰輝