by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
UPDATE
2023.07.24
「釣りはへら(ヘラブナ釣り)で始まりへらで終わる」という言葉がある。ヘラブナ釣りは初心者にとって、とっつきやすい釣りであるが、同時に、奥が深く、極めるとキリがないという言葉である。これをコンサルティングという職種に当てはめると表題のようになる。
先日、久しぶりに地方の病院へ行き医師10名弱にヒアリングを連続で行い、頭をフル回転、正直、へとへとになった。
ヒアリングにはいろいろな目的があり、単なる「情報収集」が目的のものから、課題発見や問題点の深掘り、解決策など「問題解決に直結する仮説作り」を目的とするものまで。私の前職でもそうであったが、コンサルタント新人はまずは各種ヒアリングを行う。ただし、この時の多くは「情報収集」が目的であることが多く、どちらかというと、質問→答えと一方通行であることが多い。わかりやすい例でいえば、街頭で行っているアンケートに近いものである。これは入門編。
一方で「問題解決に直結する仮説作り」を目的とするヒアリングは、ヒアリング中、何故何故の繰り返しである。例えば、患者が減っているという言葉を聞けば、頭の中で。患者が減っているのは市場が縮小しているからなのか、それともシェアを奪われているからなのか?シェアを奪われているなら、どんな競争力で劣っているのか?頭の中を論理的思考がぐるぐる回る。人が足りないためにできない!という言葉を聞けば、業務効率化で生産性を上げる余地はないのか?一日の業務はどんなことをやっているのか?その業務は本当に必要なのか・・・・・。コンサルタントとヒアリング相手が問答を繰り返すことで核心に迫っていくわけである。これら論理的な検討は普段であれば、机の上や会議など時間的な余裕のある中で行うものであるが、ヒアリングは短時間で、これらをやらなければならない。つまり、瞬時に論理的な問題解決を行う能力、高い生産性が要求されることになる。生産性の高いヒアリングを行うとコンサルタントのみならずヒアリング相手の頭の中も整理されるために、わざわざ時間を割いてくれたにも関わらず、「勉強になりました」「頭が整理されました」と逆に感謝されるということが起こる。ヒアリングは、奥が深く、極めるとキリがないものである。
遠山峰輝