STAFF EYE'S
スタッフアイズ
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UPDATE
2024.12.27
今までいかに感覚的に生きてきたか最近になり思い知らされている。感覚的であることが悪いこととは思っていないが、病院の経営改善につながる分析を行う上ではやはり論理的に問題点を提示できなければ、病院側が納得して動いてくれる確率は低いであろう。
最近は診療報酬制度について担当することが増えた。診療報酬制度は医療機関の経営において重要な要素の一つであることは間違いない。診療報酬制度は非常に複雑で、多くの要素が絡み合っていて、感覚的な理解だけでは不十分であり、論理的な分析と説明が必要不可欠である。例えば、診療報酬項目ごとの取漏れが医療機関の収益にどのような影響を与えるのか、具体的なデータに基づいてシミュレーションを行う必要がある。また、現場のスタッフに納得してもらうためには、その分析結果をわかりやすく論理的に伝えるスキルも求められる。
これまで私は「こうすればうまくいくはずだ」と感覚的に判断して進めることが多かった。しかし、医療経営の改善は感覚的なアプローチだけでは限界がある。特に、病院の収益構造を把握し、効率化の提案を行う際には、数字やエビデンスに基づいた説明が求められる。たとえ感覚的に「これが正しい」と思えても、それを客観的に示せなければ、相手には単なる思いつきに過ぎない。
このような理由から論理的な思考を鍛えるためにいくつかの取り組みを始めた。一つは、分析結果をシンプルで理解しやすい形にまとめることだ。複雑なデータでも、グラフやチャートを活用し、「何が問題で、どのように改善すべきか」を一目で伝えられるように工夫している。また、自分の提案がどのような影響を与えるのかを、具体的な事例や数値で示すようにしている。これにより、提案が単なる理論ではなく、現実に即したものとして受け入れられやすくなった。
感覚的な直感は重要であるが、それを補完する論理的なアプローチがなければ、説得力を欠いてしまう。診療報酬制度のような複雑な分野では、論理的な思考力が欠かせないことを改めて実感している。
こうした感覚と論理のバランスは、医療経営だけでなく、日常生活や他の仕事の場面でも役立つのではないだろうか。自分自身の思考の癖を知り、感覚を信じつつも論理を武器にすることで、より良い選択ができるようになると信じている。
石川翔也