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「組織の成功循環モデル」と「人材マネジメント」

UPDATE

2018.05.10

今回は、病院のリーダー研修で実施している内容について記載します。
病院の業績が悪化すると、「各診療科の予算達成を生み出す行動」ばかりに焦点を当てて解決しようとする傾向があります。
収入(結果の質)が上がらないのは、診療の効率(行動の質)が悪いからというように、医師やスタッフへの要求が高まるばかりになります。その結果、医師やスタッフのモチベーションは下がりネガティブな思考(関係の質)を生み出し、職員間の関係性も悪くなり、さらに結果に悪い影響が出てしまいます。
 一方、「組織の成功循環モデル」(マサチューセッツ工科大学:ダニエル・キム教授提唱)下図にあてはめて考えると、まず「関係性の質」を上げる(例えば話し合いをするとか、言い分を聞くとか、アドバイスする等)と部門間や上司と部下の関係性が向上するので、スタッフ個人の考え方が肯定的になり、「思考の質」が上がります。
「思考の質」が上がると、行動にも良い影響(行動の質)が出てきます。良い行動の結果とし成果(結果の質)がついてきます。良い成果がでると個人の自信もでき、周囲との信頼関係も深まり、「関係の質」も高まります。

関係の質を高めるには「相手が何を望んでいるか?:」を捉える事が重要で、ファーストステップとしては一言、声をかける事が重要です。
【ポジティブな声かけの例】
「○○さん、いつもありがとう」「○○さん、助かりました」 「○○さんのおかげで、うまくいきました」
「○○さん、そのアイデアいいですね」 「○○さん、うまく進んでいますね」「○○さん、よく考えましたね」
「○○さん、○○がすごく良かったですよ」「○○さん、良い結果がでていますね 」
「○○さん、期待しています」「○○さんの言うとおりですね」 等があります。
ポジティブな声かけは、関係の質を高めますが、次の示すネガティブな返答をすると声かけをしても関係性を高めることはできません。
【ネガティブな声かけの例】
「何度もいいましたよね」「なんで、できないの?」「そんなこと、誰でもできるよ」「何で覚えられないの?」
「もう少し早くやってよ」「人の話、聞いてます?」「それくらい考えてください」「少しは自分で調べてよ」
「どうしたら、できるようになるの?」「責任持ってやれよ」
また、あいまいな言い方をするとどう行動を起こして良いかわからないため、行動の質を上げることはできません。
【あいまいな声かけの例】
「○○を意識してください」「売上の数字を確認してください」「主体的に仕事を進めてください」
「努力して目標達成しよう」「相手の立場で考えてください」「患者さんの気持ちになればわかる」
「患者さんの希望に臨機応変に対応しよう」「自分で判断できることを増やしていく」「患者さんには丁寧に接するべきだ」「書類の提出を迅速にしてください」等。

ディレクター 髙橋俊一