by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
UPDATE
2018.12.02
顧客のニーズに合わせてサービスを提供する、ありふれた言葉であるが、いつの時代でも大事な言葉であると思う。最近介護サービスに関してプロジェクトを実施している。その中でショートステイに関して調べる機会があった。ショートステイは、これに特化した介護サービス施設もあるが、老健や特養で、その利用者が急病などで医療機関に一時的に入院することによる空床を埋めるために行われることも少なくない。ショートステイを利用する目的で最も多いものは「家族の介護疲れの対する休息」であるそうだ。いわゆるレスパイトと言われるもので、被介護者の介護に疲れた家族が休むために一時的(数日から数週間)に被介護者を介護施設に預けるというものである。ところがどうもこのショートステイ、家族にとっての使い勝手は必ずしも良いものではなさそうである。ある調査機関が、ショートステイを利用者した家族が被介護者の入所の何日前に予約をしているかを調べたところ、一か月以上前が全体の90%程度を占めている。つまり、一か月以内の予約は10%以下に過ぎず、1週間以内は5%程度となっている。レスパイトには、あらかじめ予定を立てて被介護者を介護施設に預け、旅行などへ行く場合も多いようであり、その場合には1カ月以上前から計画に行うこともあるであろう。しかし、介護に疲れ、「もう疲れた、明日休みたい、数日預かってほしい」といった短期、或いは緊急ニーズも非常に多いものと推察される。特養や老健が、ショートステイを、ある意味、片手間(空床対策)に行っているとすると、利用者やその家族のニーズを十分にとらえていないことも十分考えられる。まだまだサービスの改善余地はありそうである。
遠山峰輝