STAFF EYE'S

スタッフアイズ

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役職者に必要な教える技術~教える手順について~

UPDATE

2019.05.09

役職者になると自分が所属しているチームや部署のスタッフの人材育成(仕事を教える)を行うという役割がついてきます。経験を積んでいる多くの人は「教えることは」単純なことだと考えます。それは、仕事をする上で「教えたいこと」「教えなければならいこと」があって、それをスタッフにうまく伝えることができれば、それでその人はできるようになると考えるからです。しかし、経験を積んでいる役職者は自分の基準で教えるので教わっているスタッフとの間で理解度においてギャップが生じてしまいます。

教えたい内容をそのままスタッフに伝えることによって、その人が出来るようになるのであれば、わかりやすいテキストを配布すればよいはずです。スタッフがそれを読むだけでできるようになるのであれば、役職者が人材育成の役割を担う必要はないはずです。しかし、実際の現場ではそうではありません。

「教える」ということには、次のような手順が含まれています。

1.学習者(スタッフ)の注意をひく

2.学習の目標を知らせる

3.すでに学んだことを思い出させる

4.新しい学習内容を提示する

5.学習にやり方を説明する

6.練習(実践)させる

7.フィードバックを与える

8.学習成果を評価する

9.学習した内容を他の場面にも活かせるように促す

新しいことを教えるためには、このような手順を踏んでいく必要があります。教えたいことを伝えるだけということではありません。 ひとつ言えることは、スタッフが教えたことを出来ないのは、教え方が下手だからです。教え方の成果は、スタッフが教えたことを出来るようになっているかどうかです。

以上の9個の手順は、ロバート・ガニエという研究者が提案したもので「ガニエの9教授事象」と呼ばれています。要は教える手順を知って手順どおり実践することで、誰でも教えられるようになるのです。

髙橋俊一