by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
by 遠山 峰輝
UPDATE
2019.06.23
前回は外来再編(2)として、患者当たり看護師数に着目すると、入院では病院間のバラつきは小さいが、外来では大きいことを述べた。入院は看護基準なるものがあるが、外来はこれらがほぼ存在せず、各病院の裁量に任されているために、効率性などの差が出やすいという点も言及した。
今回は外来に本当に看護師は必要なのかということを考えてみたい。先日、北海道でいくつかの病院を訪問した。通常、診療科別医師別に外来の診察室がある。順番が来ると患者は診察室に入るが、いろいろなパターンがある。アナウンスで患者自身で診察室に入る場合、看護師が診察室のドアを開けて患者を呼びに来る場合、そして制服を着たクラークが呼びに来る場合。これらを観察すると、診察室の中には医師以外にどんな人がいるのか、外から想像できる。訪問した大学病院は、看護師が出てきた。医師の横に看護師がぴったりと寄り添っているのであろう。
ところで、内科の一人町医者に行くことを考えると、診察室は通常医師だけである。医師の横に看護師が座っている(或いは立っている)ことはほぼないであろう。医師が全てを行うことができるために看護師はその場には不要だ。ただ、採血がある場合などを想定して看護師は通常はいるかもしれない。こんなことを考えると、病院での外来看護師は限りなく減らし、集約化することが望ましいことがわかる。おそらく、看護師がいていい場面は、処置や特定の検査が必要な場合と待合いの患者さんの気分がすぐれない場合の対応くらいであろう。これらの多くは、専門科的なことはほとんどなく、病院全体で集約化すればできることである。最近では患者支援的な業務を行うスペースを設けているところも多くあるが、これが取っ掛かりになるであろう。病棟にはナースステーションがあるが、外来にこそ「外来ナースステーション」がしっくりくる。
遠山峰輝