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健康増進サービス普及のカギ

UPDATE

2019.11.28

最近、自身の定期健診の受診やプロジェクトも重なり、健診/検診というものが身近に感じられるようになりました。実は健康診断、人間ドックの受診率は都道府県ごとに格差があります。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、健康診断の受診率は最も高い県と低い県で18%の格差。人間ドックは7%の格差があります。

 

なぜこのような格差が生まれているのでしょうか。同調査の健康診断も人間ドックも受診しなかった人の理由をみてみますと、「病気になったらいつでも受診できるから」、「時間がなかった」「面倒だから」この3つで全体の7~8割を占めています。受診者の低い県はこのように思う方が多い、思わせる状況となっているのかと思います。この3つの理由の中で気になるのは「時間がなかった」、「面倒だから」。この2つはどちらも受診の必要性は理解しているが手間に感じているという気持ちが表れています。確かに受診には時間の確保も必要ですし、直前は食事も抜かなくてはいけません。人間ドックの場合は自分で予約の手間もあり、そのように思うのはわかる気がします。しかし、これは裏を返すとその手間さえ解消すれば受診者を掘り起こせる可能性があるということです。

 

手間の解消の一つとして健康診断の予約サイトがあります。自分の住所を打てば受診可能施設の一覧がでてきますし、メニューごとの施設間の値段比較も可能。ホームページ上のカレンダーで受診可能な日も分かり、予約もキャンセルも24時間ワンタッチで可能。私自身も食事やホテルの予約はネットを利用しますが、この予約サイトというのは、現代人にはかなり取り入れやすいサービスなのではないかと思います。

 

他に受診率向上の取り組みはないか調べてみると、静岡県のある病院では父の日に男性限定の人間ドックをしているそうです。通常の人間ドックより安く、結果もその場でわかる。それだけでなく、頭皮の健康調査も実施しているとう男性目線のユニークなものとなっています。また私のお客様の施設では病院のイベントの際にその場で受診の呼びかけをしたところ、何人かの予約を頂いたというお話も聞いています。こちらも予約の手間を省いたことによるものだと思います。

 

イベントやお祭りの際のPRは、学生の頃、学園祭で献血とアルコールのパッチテストをその場で営業し、集客をしている光景をみたこともあり、かなり効果的であるのかと思います。献血、健康診断、ともに健康増進サービスといえますが、これらの普及には手間に思うという人々の心理を変えることが重要なのかもしれません。

 

井上和樹