STAFF EYE'S
スタッフアイズ
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UPDATE
2020.09.24
現在プロジェクトを担当しているO病院では前年度末までに各診療科長とのミーティングを行い、翌年度の診療科の目標設定を行っている。
病院としても各診療科の実績と翌年度の各診療科の診療体制等を基に事業計画を作成し、最終的には各診療科の目標と病院が計画した目標(予算)のすりあわせを行い翌年度の事業計画の確定をしている。
ここで重要な点は、①診療科科長が自分の診療科をどのようにしていきたいのかを明確に考えて目標(予算)設定をする。②実績の振り返りを行い課題や改善点などを明確にする。③翌年度の目標(予算)と実績のギャップ(診療収入、患者数(直接来院患者、紹介患者、救急搬送患者)等)を明確にする。④ギャップを埋めるための行動計画を作成する。①について診療科長が案を作成し、②~④については事務が作成し、診療科と内容を基に調整を図り年間予算実績計画の作成を行う。ことである。
①から④がコーチングのプロセスである。①から④のプロセスを年間予算実績計画の作成段階で実施し、毎月の月次目標のフィードバックミーティングのときもこのプロセスを実施する。この中で、診療科長が当初計画した目標が何故達成できなかったのか、課題は何かを聞き出す。あくまで診療科長の自律性・自発性を引き出すことを重視し、月次ミーティングでのコミュニケーションを通して、診療科長に思考してもらい、自ら解決のための行動を策定してもらう。更に実行を約束してもらい、責任を持って取り組んでもらう。
この方法を導入した経緯は、総務部長が診療科長と面談を行うにあたり診療内容のことがわからないのでコミュニケーションがとれないということから、コーチングプロセスを導入して実施した。診療科長に考えてもらうところからスタートしているのでこのプロセスに沿って実施することで、診療科長は総務部長との月次予算実績ミーティングで自らが行動を起こしてくれている。
実例ではあるが診療科長から実績紹介データ増減をみて、「来週から診療の合間で○○市の開業医を回ってくるよ。」とか「今月は予算達成しているよね」とか診療科長が予算を意識するようになり、収支改善につながっている。
髙橋俊一